第１１回博多灯明ウォッチング

１０月２２日に博多灯明ウォッチングが開催された。今年で１１回目。第４回ごろから参加しているのでもう８回目ぐらいになる。去年は絵のモチーフを大浜校区に保存されている武者絵からとったものだったが、雨で中止になったので今年も武者絵にした体育館内には、地元の人が本物の武者絵を展示し、公民館長が説明を始めると大勢の人だかりができていた。大浜の地上絵は僕が担当するようになって５回目。下絵を慎重に選び、それを図面上にあてはめながら構図を決める。奥行きが短く、変形しており、しかも２階の高さからしか見ることのできない大浜小校庭では、この構図が最も重要。構図が決まったら直方体に近い灯明を点で並べていくことをイメージしながら下絵をデフォルメしていく。
この作業は経験が必要だが、早良区の有田校区でも５回経験しているので、だいぶん慣れてきた。ただ、見に来た人がわかるようなものでないと、訪れた人たちから厳しい評価を受け（隣につくった人たちがいるとも知らず、結構辛辣なことを言う人もいる）大浜の人たちをがっかりさせてしまう。なので最後まで慎重にシミュレーションする。
図面ができたら、前日に校庭に下絵を描く。今年は九産大のクボくんしか手伝いがいなかったので大変だった。５メーターピッチのグリッドを引いてしまえば、あとはカンを頼りにライン引きで描く。終わったのは夜の８時半ごろ。暗くて見にくかった。
ところが当日朝、行ってみると、夜の間の大雨と風で下絵が見事に消えていた。泣きそうになりながら再びラインを引き直し、できたのが１１時半。
昼の１時に地域の人が集まり、色とりどりの紙袋をぐしゃぐしゃにし、砂を入れてライン上に並べていく。大浜はとても団結力が強く、２時半には地上絵はほぼ完成。３時のおやつが出る余裕ぶり。いったん地域の人が帰った後も、僕たちは最終的な手直しを行い、体育館内や路上にも並べる。６時前に再び地域の人たちが戻ってきていよいよ点灯。心配していた風もおさまったため、あっという間に火がついた。

地上絵の完成度はこれまでの中で一番。訪れた人も口々にすごいねーとか言ってくれていたが、何か物足りない。予想していた範囲内というか、当初のような感動がないのだ。
博多灯明も紆余曲折を繰り返しながら１１回目を迎えたが、どうも単なるイベントになってしまっている気がする。デザインをする僕らも慣れ、地域の人たちもかなり効率的に作業するようになった。もともと、旧四校区統合のまちづくりの象徴として始まったのだが、全体の一体感も気迫になってきた気がする。もう一度灯明のあり方を考えさせられる年だった。
来年は大浜校区が幹事だという。地上に寝て待っていてはもうだめなのではないか。来年は地上から起きあがって、博多の街を灯明オブジェが練り歩いてたりして。
何はともあれ、関係者のみなさまお疲れさまでした。また来年がんばりましょう。（O）